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グローバル:最近の北アフリカ情勢

2014年03月26日

来日中のチュニジア・マヌーバ大学のアラヤ・アラニ准教授による最近の北アフリカ情勢に関する講演会が3月25日、都内で行われた。同氏より講演内容は公開して差し支えないとのお話があったので、聴き取った内容の一部を紹介する。

アラブの春は2011年にチュニジアで始まり、その後エジプトに波及した。両国は混乱の中で選挙によって政治的イスラム(イスラム主義勢力)が政権を握ったが、その形態には違いがある。チュニジアでは、選挙で第一党になった穏健イスラム政党のエンナハダ(約4割の支持率を獲得)が、中道・左派の世俗政党と3党連立のトロイカ政権を成立させた。アラブの春に関てして(国防に専念する)軍は政治介入していない。他方、エジプトでは、ムバラク政権の崩壊により軍が管理する暫定政権が成立した。その後行われた選挙では、ムスリム同胞団を中心にイスラム主義政党が過半数を上回る支持率を獲得し、且つ大統領選挙ではムスリム同胞団のムルシ氏が勝利して、ムスリム同胞団の単独政権ができた。しかし、2013年7月、軍のクーデターによりムルシ大統領は失脚することになる。

チュニジアでは、トロイカ政権の発足後、野党・旧体制勢力の揺り戻しが強まり与野党の対立が深まる中、2013年に2件の野党幹部の暗殺事件が発生した(イスラム過激派組織のアンサール・シャリーアによる犯行との見方がある)。テロに対する非難と経済政策の失敗から、エンナハダは政権から一歩退き、2014年1月、テクノラートによる宗教色のない政権が誕生することになった。同年2月、新憲法が発布され、2014年末までに大統領選挙と議会選挙が行われる予定。チュニジアは安定化に向かっており、海外からの新たな投資が期待されている。

中東のテロ情勢について、段階的に鎮静化してきていると考えるが、まだ改善に時間のかかる地域がある。北アフリカについては、アラブの春以降、アルカイダやアンサール・シャリーアなどのテロ組織は、アルジェリア、リビア、チュニジアの三角地帯を拠点として活動してきたが、アルジェリアでは、テロ掃討作戦が行われており効果を上げている。チュニジアは、アルジェリアと連携して両国国境地帯でのテロ取り締まりを強化しており、テロ発生件数は減少している。リビアは、国境警備を強化すると言っているが、リビア情勢の改善が遅れており、安定にはまだ2~3年はかかる見通しである。 (長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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