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エジプト:カイロ大学付近で爆弾テロ

2014年04月04日

カイロ郊外のギザ県にあるカイロ大学付近で、2014年4月2日、午前11時頃、爆発が起きて警察幹部1名が死亡、警官7名が負傷した。爆発は3回にわたり、最初の2回は工学部前ナハダ広場にある機動隊詰所近くで手製爆弾(IED)が相次いで爆発した。3回目は2時間後に現場近くで爆発したが、こちらは爆発規模が小さく死傷者は出なかった。

エジプトでは2013年7月に軍による事実上のクーデターが起きて、ムスリム同胞団出身のムルシ大統領(当時)が失脚。それ以来、治安機関を標的にした攻撃が相次いでおり、カイロ大学周辺でも、警察とムスリム同胞団支持者との衝突が時折起きている。今回の爆破事件について、「アグナード・マスル」と称する武装集団が犯行声明を出し、治安当局への更なる攻撃を行うと主張している。アグナード・マスル(「エジプトの兵士」を意味する)は、シナイ半島を活動拠点とするイスラム過激派で、2014年1月24日、カイロ中心部にあるカイロ県警察本部やギザ県の警察署で爆破事件が起きた際に犯行声明を出しているが、組織の詳しい状況は不明である。

シナイ半島では、イスラム過激派によるテロが散発している。2014年2月にはイスラエルとの国境に接しているタバで観光バスを狙った爆破テロがあり、韓国人2名と運転手1名の計3名が死亡、14名が負傷した。「エルサレムの支援者」と称するイスラム過激派組織が犯行声明を出した。

エジプトでは5月26日~27日に大統領選挙が予定されており、昨年7月のクーデターを主導したシーシ前国防相が出馬を表明している。今後、選挙に向けて治安が悪化する可能性もある。カイロやアレクサンドリア等の主要都市について、外務省は「渡航の是非検討」の危険情報を発出している。デモや集会の場所、治安関連施設、政府施設、宗教施設、大学周辺等にはできるだけ近寄らないよう、十分な注意が必要です。また、外出時は信頼のおける人と連れ立って行動することをお勧めします。 (長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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