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リビア:政情不安が続く

2014年05月02日

4月29日、リビアの首都トリポリにある制憲議会の本部に武装集団が乱入し、新首相選出のために行われていた投票を妨害した。投票は、サニ暫定首相が4月12日に本人と家族が何者かに襲撃を受けたため辞意を表明したことから実施された。ここ1年半に、議会は何度も武装集団に強迫されている。トリポリでは様々な武装集団が自派の要求を通すために活動しているので、今回の事件も武装集団の正体や武力行使の背景などは分かっていない。5月2日にはリビア東部のベンガジで、治安部隊がイスラム過激派のアンサール・シャリーアと思われる武装集団に襲撃され、少なくとも治安関係者9人が死亡、15人が負傷した。4月15日には駐リビアのヨルダン大使がトリポリで武装集団に襲われ拉致された。又、その前後にエジプト人外交官(4人)、チュニジア人外交官、ポルトガル大使館建物がそれぞれ襲撃を受けるなど、外交団を狙ったテロが多発しており、一部の外交団は国外避難したとの報道も流れている。

アラブの春の影響を受けて2011年8月にカダフィ政権が崩壊後、内戦を主導した反カダフィ派の暫定国民評議会(NTC)は、ロードマップ(政治行程表)を作成して、2013年6月までを目途に、憲法制定の為の議会選挙から新憲法の制定、国民議会選挙、大統領選挙までを行うと表明していたが、民主化プロセスは遅れており、現在は憲法案の策定段階にある。また、地域主義や部族間対立の表面化、イスラム過激派の流入、武器の拡散も新生リビア国作りの不安要因となっている。内戦を戦った各派の民兵組織が林立し、解散や国軍・警察への編入を拒否して、治安部隊との衝突や部族間紛争を繰り返しており、政情不安が続く。

外務省は、危険情報(トリポリ及びフムスからミスラタ間の地中海に面した地域については「渡航延期勧告」を、その他の地域については「退避勧告」を)発出して、厳重な警戒を呼びかけている。トリポリで,今年1月、帰宅途中の韓国人ビジネスマンが武装集団に拉致される事件が発生(その後、無事解放)。ベンガジでは、イタリア人建設作業員2人が拉致され、フランス人技術者が襲われて死亡するなど、相次いで外国人が被害に遭っている。従い、やむを得ずリビアに渡航・滞在される方は,最新の現地治安情報を入手し、自らの安全確保に十分注意すると共に、必ず事前にトリポリの日本大使館に滞在計画、連絡先、現地でアテンドしてくれる人等を連絡し、且つ、大使館と緊密に連絡を取り合うことを強くお勧めする。(長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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