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グローバル:エボラ出血熱の流行と企業の対応

2014年08月13日

西アフリカでエボラ出血熱の感染が広がっている。今年3月22日、ギニア政府がエボラ出血熱の感染を確認したと発表したのが最初で、その後、リベリア、シエラレオネに感染が広がったが、当初は3国が接する森林地帯に感染が集中していた。7月25日、ナイジェリアのラゴスにリベリアから到着した米国籍の男性が空港で倒れて死亡し、ナイジェリアでも感染が確認された。世界保健機関(WHO)は8月8日、過去最大規模のエボラ出血熱の流行であるとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言して、世界各国が協調して対策に当たることを求めている。WHO統計によれば、西アフリカ累計で(8月11日現在)、感染者総数は1,975人(内、死者1,069人)となっている。国別ではギニアが感染者510人(内、死者377人)、リベリア感染者670人(内、死者355人)、シエラレオネ感染者783人(内、死者334人)、ナイジェリア感染者12人(内、死者3人)。

エボラ出血熱は、エボラウイルスが原因の急性感染症で、コウモリが宿主とされ、エボラ患者に濃厚に接触したり、感染した動物の血液等に触れることで感染する。感染力は決して強くないが、感染すると致死率が25%~90%と高いことから恐れられている。1976年に発見されて以来アフリカで局地的に流行を繰り返してきた。ワクチンや治療薬はないので、患者に濃厚に接触しない、感染した動物の血液等に触れない、手洗いを励行する等が予防対策となる。感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状がでる。詳細は、厚生労働省のエボラ出血熱Q&A(下記のHP)をご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola_qa.html

エボラ出血熱の流行で、ギニア、リベリア、シエラレオネでは航空便の運航停止が相次いでいる。英ブリティッシュ・エアウェイズはリベリア、シエラレオネへの運航を中止している他、UAEエミレーツ航空が感染国への航空便を停止。大韓航空は感染防止を理由に(感染国ではない)ケニア・ナイロビへの運航を一時的に中止したなど。日本外務省は8月8日、ギニア、リベリア、シエラレオネについて感染症危険情報を発令し(下記のHPをご参照)、加えて11日には危険情報を発出した。商業便の運航停止などにより出国できなくなる可能性及び現地で十分な医療が受けられなくなる可能性を指摘して、渡航者には「不要不急の渡航延期を」、また滞在者には「(事情の許す限り)国外への避難検討を」、それぞれ促している。

さらに、日本帰国の際の留意点として、空港などでの検査が強化される場合があるので、到着時の検疫所の指示に従うこと、また、帰国時に、発熱・悪寒・頭痛などの症状がある場合には、検疫所の健康相談に申し出ること(帰宅後に同様の症状が現れた場合には、最寄りの保健所に相談)を要請している。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2014T113

日本企業・団体では、3国への渡航を禁止し、現地の駐在員や出張者の国外退避を指示しているところが多い。またナイジェリアについては、感染者が限定的であることから、注意喚起に止める企業が少なくない。さらにエボラ出血熱の最新情報を入手して適切に対処することや流行地域から日本帰国・入国した際の留意点(上記)についても周知を図っている。

尚、感染症の流行に際して、パニックや風評被害が生じたりするケースがあるので注意が必要である。パニックにより現地で買占めや暴動が起きたり、強盗等の犯罪が増える場合もある。外出を控える、食糧や水の備蓄をする、治療施設を知る等の緊急時対応を検討する。また、流行国から帰国した人や流行国の出身者に対するいわれなき偏見・差別が起きる場合もあるので注意する。(浮野 淳)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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