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韓国:中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大

2015年06月04日

6月2日、韓国保健福祉省は、中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)の感染者2人が国内で初めて死亡し、更に初の3次感染が発生したことを発表した。またこれまでの患者数は25人(死亡の2人、渡航先の中国で感染が確認された1名、3次感染者2人を含む)、隔離対象者は約750人に上ることを明らかにした。

韓国での最初の感染者の男性(68)は、サウジアラビア、UAE等中東諸国を訪問し、5月4日に帰国、同11日に発症して、同20日に感染が確認された。この男性と同じ病棟に、死亡した男性(71)と女性(58)が5月15日~17日に入院しており、両人は6月1日、死亡した。

当局は5月20日に最初の感染者を確認した際、ウイルスの感染力を過小評価して、隔離対象者を限定したことで、拡散防止に失敗。初動対応のまずさを指摘されている。

MERSはSARSコロナウイルスに似た新型のコロナウイルスで、2012年6月に、サウジアラビアで最初の感染者が出て、その後中東諸国に広がった。WHO(世界保健機関)によれば、今年5月30日現在、1,149人が感染し、431人が死亡している(致死率38%)。

サウジアラビアでヒトコブラクダからウイルスが見つかっているが、感染ルートは、ラクダの他に、感染者との接触や咳、くしゃみの飛沫が疑われている。感染力は比較的弱いとされるが、今後ウイルスに変異が起きて毒性が強まり、ヒト同士の効率的で持続的な感染が発生しないか(予測は不能であるが)懸念されている。

MERSの症状は発熱、咳、息切れが一般的で、高齢者や糖尿病の人、免疫が弱い人等が重症化しやすい。潜伏期間は2.5日-14日間とされている。治療薬やワクチンはまだないので、予防が特に大切である。

一般的な予防策として、➀休息・栄養をとり体に抵抗力をつける。②手洗い、うがいの励行。③できるだけマスクの着用か、人込みを避ける。④ラクダに近づかない。⑤高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた場合、専門医の診察を受ける等。

日本厚生労働省は、今年1月、MERSの危険度を(5段階中上から)2番目に高い2類感染症に指定した。中東や韓国から帰国した人に対して、空港で、38度以上の発熱や咳等がある場合は、検査官に申し出るよう呼びかけている。

また、日本外務省は6月2日、「韓国及び中国:MERSコロナウイルスによる感染症の発生」の渡航情報を発出。最新の関連情報を入手して、感染予防に努めるよう呼びかけている。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?id={%countrycd%}&infocode=2015C151

多くの日系企業では、MERSの感染拡大事態に対処して、中東や韓国等の滞在者、出張予定者に対して、健康管理、手洗い、うがいの励行などの注意喚起を行っている。

尚、(MERSと異なる)新しい感染症例として、中国で鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの感染が確認されている。ここ6か月間(2014年11月~2015年4月)でも、感染者196人(内、死亡者89人)となっており、鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入りはできるだけ避ける、健康管理、手洗い、うがいに努める等の注意が必要だ。 (長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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