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バングラデシュ:日本人殺害テロ

2015年10月06日

10月3日午前、バングラデシュ北部ランプル近郊のマヒガンジ村で、日本人男性(66才)がリキシャ(自転車タクシー)で近くの畑に向かう途中、バイクに乗った3人組に銃撃されて死亡した。
男性は2011年頃からマヒガンジ村をたびたび訪問して、農業開発のプロジェクトに携わっていたとされる。ランプルはインド国境に近い貧しい地域。今までイスラム過激派の活動は見られなかった。男性は、近隣では唯一の外国人で、誠実な人柄から住民みんなに愛されていたとメディアは伝える。

10月3日、イスラム過激派武装組織IS(イスラム国)の支援組織を名乗るグループが、インターネット上で犯行声明を出した。声明は、「バングラデシュのIS」による作戦で、(欧米や日本など)十字軍の国民を狙ったとしている。但し、実際に事件に関与したのか、或は、事件に乗じて犯行声明を出したのかは不明。10月4日、IS(本体)は、自ら運営するラジオ局アルバヤンで、「ISの戦闘員が日本人を殺害した」と表明したが、バングラデシュのグループとの関係には触れておらず、組織的なつながりは不明である。

バングラデシュのハシナ首相は4日、記者団に対して「バングラデシュではISの活動はまだ発生していない。ISの犯行であると認められるまで、受け入れられない。調査中である。」と述べ、イスラム国の犯行を否定した。

バングラデシュでは、過去にイスラム過激派の「ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)や「ハルカトゥル・ジハーディ・イスラミ・バングラデシュ(HuJI-B)」の活動が見られた。2005年には、同国64県中63県で同時多発爆弾テロが発生した(2人死亡、150人以上負傷)。政府はJMBの犯行と断定し、それ以降イスラム過激派組織の取り締まりを強化して封じ込めに成功したが、最近過激派組織の再建の動きが報道されている。

9月28日にも、首都ダッカ市内で、ジョギング中のイタリア人権活動家がバイクに乗った者らによる銃撃で殺害された。日本人男性の場合と同様に、「バングラデシュのIS」が犯行声明を出している。最近、世界各地でISやISの主張に賛同していると思われる者らによるテロが発生しているが、バングラデシュの事件もこの流れの中にある可能性が考えられる。

一連の外国人テロに対して、欧米やオーストラリアの政府は、バングラデシュに住む自国民らに警戒を呼び掛けており、日本外務省も10月4日付でバングラデシュに対する危険情報を「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」に引き上げた。

レベル2に拘わらず、渡航・滞在する場合は、①最新の治安情勢について情報収集に努める。②外出時は周囲に特段の注意を払う。③標的となり易い宗教施設,欧米関連施設,政府・治安関連施設、集会・デモ等にはできる限り近づかない。④外国人が多く利用するホテル,レストラン,空港等の施設では十分な注意を払う。詳しくは以下をご参照下さい。
(外務省危険情報)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=012#ad-image-0

日本企業では、事態が鎮静化するまでの間、バングラデシュへの渡航を控えるところも少なくない。また、現地では、犯人逮捕に至っていない、事件の背景が不明であるなども踏まえて、十分にご注意下さい。 (長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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