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エジプト:国民投票で新憲法案が承認

2014年01月20日

エジプトで2014年1月14、15日の両日に実施された憲法改正を問う国民投票で、98.1%
が賛成票を投じて新憲法案が承認された(投票率は38.6%)。今回の改憲案は、2013 年7月、事実上の軍事クーデターによって解任されたモルシ前大統領が制定した憲法に代わるもの。
改憲案に反対するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は投票のボイコットを呼び掛けていた。

改憲案では、国防相は軍最高評議会の承認で将校から任命される。また宗教政党は禁止等が盛り込まれていて、軍の権限を強化し、イスラム色を薄めた内容となっている。
改憲案は国民投票から90日以内に議会選か大統領選のいずれかをまず実施し、その後、残る選挙を行うと規定しており、今後は新憲法下での大統領選挙が焦点となる。軍トップのシシ国防相以外に有力な候補は見当たらないが、同相からの出馬表明はまだない。
上記の国民投票は大きな混乱なく行われたが、エジプトの治安情勢は平穏に戻ったとは言えない。カイロ市内は概ね日常生活に戻っているが、イスラム同胞団系のデモが時折行われて治安部隊との衝突が起きている。2013年9月にはカイロ市内で内相を狙ったテロ未遂事件が起き、シナイ半島を活動拠点とするイスラム過激派の「アンサール・バイト・アルマクディス」が犯行声明を出した。シナイ半島では、軍を中心に武装勢力の掃討作戦が継続中であるが、根絶には至っていない。外務省は、カイロやアレクサンドリアへの渡航について、「渡航の是非を検討してください。」の危険情報を発出しているので、参考にされたい(外務省海外安全ホームページのエジプト欄を参照)。また、エジプト滞在時は、信頼の置ける人のアテンドを必ず受けることをお勧めする。 (長谷川 善郎)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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