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インド:デリー周辺の大気汚染

2014年03月17日

3月5日付けで、日本外務省から掲題に関する注意喚起が出たが、インドでも大気汚染が深刻になっている。

http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2014C078

 

ヒンドゥー暦では本日(2014年3月17日)は春を迎える祭‘ホーリー’に当たり、北インドでは街頭で色水や色粉を誰彼かまわずかけ合う。 春を迎えるとは言うものの、この日辺りを境にして、気温は毎日グングン上がり始める。 蚊も大量に発生する。

 

北インドの季節は6つに分けて考えられている。 春、夏、雨季、雨期明け、秋、冬の六季である。上記外務省の注意喚起のコメントにもあるように、「雨期が終わり気温の低下する時期から、大気汚染が顕著となる」のが近年の傾向で、これは大気の停滞が影響している。

 

冬場は朝晩の冷え込みが厳しいデリーやラクナウなどでは、大気汚染は、(近代的アパートではない)一般家庭や野外で暖を取る為に使われる木炭や石炭も原因とされる。 実際、冬のデリーでは炭を燃やしたような臭いが立ち込めている。

しかし、春から夏へ向かう‘ホーリー’を前にしたこの時期に大気汚染に関する注意喚起が出るのは、工場と自動車の排気によってインドの大気汚染が通年化、常態化したことを如実に表している。 インドが誇る世界遺産、白亜の大理石建築:タージ・マハール廟は、90年代に大気汚染による黄ばみが指摘され、現在ではこの遺産を護るために、アーグラ市周辺では新規の工場建設が制限され、タージから500mの区域には化石燃料の自動車は立ち入ることが出来なくなっている(観光客は自動車立ち入り制限ポイントで、タクシーなどから馬車や電気自動車に乗り換える)。

 

現地滞在者の対策は限られている。 大気汚染を常にチェックする、外出時間を短くする、外出時にはマスクを着用するなどである。

 

情報収集に便利なサイト(URL)は以下の通り。

 

l  Delhi Pollution Control Committee:

http://www.dpccairdata.com/dpccairdata/display/pbView15MinData.php

 

l  System of Air Quality Weather Forecasting and Research:

http://safar.tropmet.res.in/

 

ホーリーはヒンドゥー歴12月の満月の日と決められている。 PM2.5で、観光客が楽しみにしている‘タージにかかる満月’が曇らないことを祈る。  (竹本 和夫)


注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。

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