ブラジル：日本人ビジネスマンが強盗に殺害される

2017年01月31日

1月16日（月）、午後2時頃、サンパウロ南部で日本人ビジネスマンが車を運転して停車したところ、近づいてきたバイクに乗った2人組の男から、窓を開けるよう要求されて、拳銃で撃たれて亡くなられた。中南米では、昨年11月、コロンビアのメデジンで旅行中の日本人大学生が強盗に殺害される事件が起きており、痛ましい事件が相次いだ。

サンパウロでは強盗事件が日常茶飯事であり、今年1月中の日本人の強盗被害だけでも、在サンパウロ総領事館が安全対策情報として、サイト（http://www.sp.br.emb-japan.go.jp/jp/）に公表しているものに下記がある。

①1月5日（木）午後3時頃、サンパウロ市ミランドポリス区イリース通りでバイクの2人組に襲われ、所持品を奪われる。
②1月10日（火）正午頃、サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区アラメダ・サントス通り（インターコンチネンタルホテル敷地内）で、バイク2台がホテル敷地内に侵入し、賊１人から銃を突き付けられ、他の賊3人に所持品を奪われる。
③ 1月10日（火）午後3時頃、サンパウロ市ヴィラマリアナ区ジョセ・デ・エイロス・アラニャ通りで、夫婦がバイクに乗った2人組に襲われ、ショルダー・バッグを奪われる。
④1月16日（月）午後１時過ぎ、サンパウロ市リベルダージ区レストラン街で、被害者が現金を両替した後、徒歩で移動中に、賊１人から銃を突きつけられバッグを奪われる（上述の1月16日発生の日本人ビジネスマン強盗殺人事件とは別件）。
⑤1月23日（月）13：00～14：30頃、カンピーナス市カンブイ地区で、被害者が外出先から帰宅したところ、勝手口側の扉の鍵が破壊されて強盗被害に遭う。
⑥1月24日（火）午後7時頃、サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区ブリガデイロ・ルイス・アントニオ通りで、被害者2名が乗ったタクシーが渋滞で停車したところ、賊1人が外から銃を突きつけて所持品を奪う。

これらの強盗被害案件を含む各種の安全対策情報は、在サンパウロ総領事館から在留邦人や、（たびレジ登録している）ブラジル旅行者らに頻繁にメール配信されており、再三注意喚起が行われている。

総領事館からの強盗に対する防犯対策の注意喚起例として、以下が上げられる。
(1) 常に警戒心を維持し，時折周囲に視線を向けるなど、警戒心を顕示する。
(2) 荷物は最小限にし、手元から離さず、貴重品は極力持ち歩かない。
(3) 多額の現金等貴重品を所持している時は、目的地までタクシー、車等を利用する。
(4) 車両の乗降は可能な限り、警備員、鉄扉等、セキュリティのしっかりとした駐車場で行う。
(5) 降車の際は、特に周囲を警戒し異変の察知に努める。
(6) 車両尾行等に気付いた場合は、ショッピングモール等人通りの多いエリアや付近の警察署等でやり過ごす。
(7) 万が一、強盗に遭遇した場合は絶対に抵抗せず、犯人の要求に従う。

世界的にもブラジルでは非常に高い頻度で犯罪が発生しており、麻薬に絡む組織犯罪も多い。犯罪の手口は凶悪で、拳銃が容易に犯行に使用される特徴がある。
現地に滞在、駐在、生活されている方は、在外公館から入手した安全対策情報に目を通し、上記の予防対策と共に、（補足として）以下もご参考に安全に十分ご注意下さい。

１）道路を歩行中、或いは車で走行中、時折「もしかしたら、ここで強盗に襲われるかもしれない」と考える ⇒　そして、自らの注意力を確かめる。
お金を引き出したり、両替した後の尾行に特段の警戒をする、財布には相応しい小額の現金を入れておく、財布を盗られた後のタクシー代として（例えば）靴下の中に現金を隠しておく、等も有効な対策になる。
２）万一、強盗に襲われたら、慌てず落ち着いて対処する　⇒　強盗の欲しがるものは躊躇なく与える。行動は強盗によく分かるように、「言葉を添えて、ゆっくりと」行う。また、強盗の顔を見つめないようにする。
３）強盗に襲われた場合や銃を向けられた場合を想定して、咄嗟にどうするかの模擬訓練をしてみる。

当会では、海外赴任者・出張者向け安全研修を随時開催し、（簡単な）模擬訓練も行っているので、ご関心の向きはご連絡下さい。　（長谷川　善郎）

注：本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。