ウクライナ:ヤヌコビッチ政権の崩壊
2014年02月24日
ウクライナでは、2013年11月、ヤヌコビッチ政権がEUとの関係を強化する連合協定の調印を突然凍結したのを機に、EUとの関係強化を求める野党勢力や市民が反発し、首都キエフで抗議デモが発生した。警察との衝突が繰り返され、2014年2月18日には大規模衝突に発展し、多数の死傷者が出た。一時は政府側と野党勢力の間で、事態収拾に向けた合意もなされたが、合意に反対するデモ隊が2月22日、大統領府に進入し、大統領府を事実上の管理下に置いたため、ヤヌコビッチ大統領は、キエフから支持基盤がある同国東部に移動した。野党が掌握した最高会議(国会)がヤヌコビッチ大統領の罷免と5月25日の大統領選実施を決定し、事実上の政権崩壊となった。ただし大統領は東部で徹底抗戦の構えを見せ、またロシアは欧米寄りの動きに強い不満を示していることから、与野党間の対立がウクライナの東西分裂や地域間の紛争へ発展する可能性が出てきた。
ウクライナ情勢は流動的で、今後現地の治安情勢が急速に悪化する可能性もある。最新の情勢把握に努めると共に、デモ、集会、多数の人々や治安部隊が集まっている場所などには近づかない。また政府関連施設もできるだけ避け,用事がある場合は速やかに済ませて安全な場所に移るなど、十分に注意する。 (平田 昇二)
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