コロンビア:旅行中の日本人大学生が強盗に殺害される
2016年11月28日
コロンビア第2の都市メデジンで、11月19日(土)、午後4時頃、旅行中の日本人大学生(22才)が強盗に殺害される痛ましい事件が起きた。市街地を歩いていた際、未成年と見られる2人組に持っていた携帯電話等を奪われたため、逃走する犯人を追いかけたところ、銃で撃たれて亡くなられた。被害に遭った大学生は、今年4月、大学に休学届を提出する際、「国際協力の実情を知るため発展途上国を中心に各地を回りたい。」との抱負を大学側に伝えていたという。その途次での今回の事件遭遇でした。
コロンビアは、過去に、反政府勢力によるテロ、誘拐の多発や麻薬組織による凶悪犯罪が頻発したことから、中南米で最も治安の悪い国と言われたりしたが、2002年からのウリベ前大統領及び2010年に発足したサントス現大統領の両政権による取締り強化策(治安要員の増強、米軍支援の掃討作戦等)が奏功し、ボゴタ、メデジンを始めとする都市部ではテロ、殺人及び誘拐の発生が減少して、都市部での治安状況は著しく改善された。また、コロンビア政府は、2012年10月から、反政府勢力のコロンビア革命軍(FARC)と和平協議をスタートさせ、ようやく今年11月24日、両者は和平合意に署名した(国会で審議予定 )。
メデジンには、かって、麻薬組織メデジン・カルテルの拠点があって組織抗争が絶えず、治安の悪さでは世界最悪とも言われていたが、近年は麻薬組織が一掃されたことによって、(一部の地域を除いて)治安が以前と比べて改善しており、観光客も増加している。
しかし、油断は禁物である。報道によれば、メデジンでは1991年には人口10万人あたり266人が殺人事件の犠牲になり、2015年には20人にまで大幅減少した。日本では、2015年、10万人当たりの殺人事件の犠牲者数は0.28人で、メデジンの数字が日本の70倍以上に上ることからも、リスクはまだ大きく十分な注意を要する。
当会では、海外に旅行、滞在する際、安全を確保するための基本的な方策として「安全の5原則」を守ることを提唱し、普及に努めている。
第1の原則は、「自分の身は自分で守る」 ⇒ 旅行先の安全情報を集めて、「危ないところには近づかない」、「危ない行為はしない」ことである。
①外務省の「たびレジ」に登録すれば(簡易登録の方法もある)、上記の安全情報を容易に且つタイムリーに入手できるので便利であり、当会は海外旅行をされる方に「たびレジ」登録を推奨している。
②旅行先で何かあった時に連絡を取るため、在外公館の住所、電話番号等を控えておく。
第2の原則は、「目立たない」 ⇒ 外出時は、目立たない服装を心がけ、必要以上の貴重品を携行しない。
第3の原則は、「行動を予知されない」 ⇒ 移動の際のルートや時間帯を変え、不規則にすることで、狙われにくくする。
第4の原則は、「用心を怠らない」 ⇒ 身の回りの不審物、不審者に用心して、知らない人から声をかけられても相手にしない。
第5の原則は、「襲われたら抵抗しない」 ⇒ 命を守ることが一番。犯人が欲しがるものはためらわず与え、抵抗しない(犯人は凶器を所持)。
今般、当会では、上記の安全の5原則を始めとする基礎的な海外安全対策の啓発、普及を目的として、主に青少年を対象とする「海外旅行安全研修」を、以下の通り実施しますので、ご案内します。関係の皆様にも広くお伝えいただけましたら幸いです。 (長谷川 善郎)
「海外旅行安全研修」プログラム
日 時 : 毎月第3木曜日の14:00~15:00 (当面の予定)
第1回 12月15日(木)14:00~15:00
第2回 1月19日(木)14:00~15:00
第3回 2月16日(木)14:00~15:00
第4回 3月16日(木)14:00~15:00
テーマ : 海外における安全対策の基礎知識と簡単な防犯訓練
募 集 : 海外旅行を計画中の(安全に不安を持つ)青少年を主な対象とします。
(各回定員10名、参加費無料)
*希望者は必ず事前にお申込み(下記)をお願いします(日程が変更になる場合がありま
す)。
講 師 : 当会の海外安全・危機管理アドバイザー
場 所 : 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル2F MD.ネット会議室
電話 03-5563-4976
最寄り駅 ― 赤坂駅(千代田線):3b出入口 徒歩6分、
赤坂見附駅(銀座線、丸ノ内線):11番出入口 徒歩11分
https://office.mec.co.jp/search/detail/570/
お申込み : 下記メールアドレスに、①お名前、②学校名又は所属名、③連絡先電話番号
をお知らせ下さい。
但し、定員(10名)になり次第、締切りとさせていただきます。
renrakusaki@oscma.org
お問い合わせ : NPO法人海外安全・危機管理の会 担当 長谷川
電話 03-5563-4976
注:本ニュースは、海外に渡航・滞在される方が、ご自身の判断で安全を確保するための参考情報です。ニュースを許可なく転載することはご遠慮下さい。